ヨガの呼吸法を学びましょう

ヨガ

ヨガの呼吸法の基本

呼吸法は、ヨガの実践において非常に重要な要素です。正しい呼吸法を身につけることで、心身のバランスを整えることができます。

プラーナヤーマとは?

ヨガの呼吸法のことは、『プラーナヤーマ(または、プラナヤマ)』と呼びます。

プラーナ(生命エネルギー)をコントロールすることを目的としています。プラーナは私たちの体や心の活動に不可欠なエネルギーであり、プラーナヤーマを通じてそのエネルギーを調整することで、身体や心のバランスを整えることができます。

呼吸法 “プラーナヤーマ” の重要性

プラーナヤーマは、深い呼吸を通じて体内のエネルギーを活性化させる効果があります。また、呼吸に意識を集中させることで、心を静めることができます。これにより、ストレスの軽減やリラックス効果が得られます。

実際に呼吸法が、ストレスを軽減して精神面を安定させたり、集中力を高めたり、心肺機能の向上高血圧対策としても効果があることは、最近の科学的な検証により確認されています。

<外部リンク>
Forbes |「呼吸」が健康に重要であることを示す5つの研究

基本的なプラーナヤーマ

プラーナヤーマにはいくつかの基本的なテクニックがあります。まずは、鼻からゆっくりと息を吸い込み、口からゆっくりと息を吐く「鼻呼吸」があります。また、腹式呼吸や胸式呼吸など、呼吸の深さやリズムを変えることで効果を引き出す方法もあります。

基本の呼吸法については、”自宅でできるヨガの始め方” ページの ヨガの基本の呼吸法も参照してみてください。

ではプラーナヤーマの具体的な方法を、以下に紹介していきます。

ウジャイ呼吸(勝利の呼吸法)

ウジャイ呼吸は胸式呼吸の1つで、特にアシュタンガヨガを行なう上では基本の呼吸法とされています。「ウジャイ」は勝利を意味しているので「勝利の呼吸法」とも言われます。

やり方は左の鼻と右の鼻を交互に使って呼吸をしますが、お腹を凹ませ口は閉じたまま、鼻から吸って鼻から吐く「鼻呼吸」を繰り返します。

ウジャイ呼吸には身体を温め血行を促進する作用や、内臓器官の活性化などたくさんの効果が期待できます。 瞑想前や集中力を高めたいときにも効果的です。

ブラーマリー呼吸(蜂の音呼吸法)

「ブラーマリー呼吸」は、呼吸の音が、蜂がブンブン飛ぶ時の音に似ていることから「蜂の呼吸法」と呼ばれます。サンスクリット語で「ブラーマリー」とは、「メス蜂」を意味しています。

ブラーマリー呼吸は、振動によりリラックスを促す呼吸法です。目と耳を閉じてハミングの音を出しながら行うので、音の振動を頭蓋骨に響かせ心を落ち着かせる効果があると言われています。頭の疲れや、ストレス、不眠が気になる方にもお勧めです。

カパラバティ呼吸(火の呼吸)

カプラバティ呼吸は、素早く「フッ!フッ!フッ!」と腹筋を収縮させながら鼻から息を吐きつづける呼吸です。全身の巡りにアプローチする呼吸法で、火の呼吸とも呼ばれます。

内臓をマッサージし活性化させたり、腹横筋が鍛えられるのでウエストのスリミングも期待できます。頭も冴えるため、寝起きや空腹時などに行うとお勧めです。

禁忌:妊娠中の方や不安、特定の眼病、高血圧がある方は避けましょう。

バストリカ呼吸(火の呼吸)

バストリカはサンスクリット語で「ふいご」という意味ですが、「ふいご」は鍛冶屋が鉄の加工で火おこしの際に使う道具のことです。

「バストリカ呼吸」はカパラバティとも似ていて、「火の呼吸」と呼ばれます。カパラバティよりもバストリカの方が、よりパワフルで体を温める効果が高い呼吸です。

バストリカ呼吸は内臓から身体を温めるので、代謝が上がり、血行も促進されます。また気管支系を鍛え、喉の炎症にも効果が期待できます。冷え性や毒素の排泄にも良いと言われます。

アナロマ・ヴィロマ呼吸(交互鼻呼吸)

「アナロマ・ヴィロマ」は、片方の鼻から息を吸い、反対の鼻から息を吐くという交互鼻呼吸です。

まず、右手の親指で右の鼻孔を押さえ、息を吸います。次に、右手の薬指で左の鼻孔を押さえて息を吐きます。これを左右繰り返して行います。交互に鼻孔を使って呼吸することで、身体と心のバランスを整えます。

ナーディショーダナ呼吸(片鼻呼吸法/ハタ呼吸)

「ナーディショーダナ」は、手指を使って片方の鼻孔から吸い、反対の鼻孔から吐く片鼻呼吸法です。

「ナーディショーダナ」は、左右交互に鼻孔を押さえて行うので、鼻の通りを良くする効果があります。また陰陽バランスや自律神経を整える効果も期待できるヨガの伝統的な呼吸法です。

スーリヤベーダナ呼吸(片鼻呼吸法/太陽の呼吸法)

「スーリヤベーダナ」は、右の鼻を使って息を吸って、左から吐く呼吸を繰り返す、片鼻呼吸法の1つです。身体の冷えを軽減し、気持ちを落ち着かせる効果が期待できます。

「スーリヤベーダナ」は身体を温める冬向けの呼吸法で、疲れが溜まっているときや低血圧の方、アーユルヴェーダのヴァータの乱れにもおすすめの呼吸法です。

また、この呼吸法は交感神経を活性化し、エネルギーを活性化する効果があるため、朝に取り入れることをお勧めします。反対に、夜は控えた方がよいです。

禁忌:妊娠中の方や不安、心臓病・高血圧がある方は避けましょう。

アーナパーナ呼吸(呼吸の瞑想)

「アーナパーナ」は、息を吸うことに焦点を当てた呼吸法です。アーナパーナは、サンスクリット語で「息を吸い込む」という意味を持ちます。この呼吸法は、身体のエネルギーを活性化させ、リラックス効果をもたらすことで知られています。

アーナパーナは、リラックス効果があるため、ストレスや不安を軽減するのに役立ちます。また、身体のエネルギーを活性化させることで、集中力や体力の向上にも効果があります。日常生活での応用やメンタルヘルスへの効果については、後の章で詳しく説明します。

シータカリ呼吸

「シータカリ」は、サンスクリット語で「冷たい」という意味です。

『シータカリ呼吸』は、「シータリ呼吸」と同様に鼻を通じて吸った空気を冷やすことで体温を下げる効果があります。歯を食いしばり、口を大きく横に広げ口から息を吸い、ホールドしたのち鼻から吐くのがシータカリです。

シータカリは、体温を下げる効果があるため、暑い季節や発汗が多い時に特に効果的です。また、リラックス効果もあるため、ストレス解消や集中力向上にも役立ちます。

シータリ呼吸(冷却呼吸法)

「シータリ」もシータカリ呼吸法同様に、冷たい空気を取り入れて、体内の温かい空気を排泄する呼吸法です。

「シータリ」は、舌を巻いて口内に冷却効果をもたらす呼吸法です。舌を突き出して両側を丸め、その状態で口から息を吸ってホールドしたのち、鼻から吐く呼吸です。
※舌をまるめておこなうのが難しい場合には、シータカリ呼吸がおすすめです。

口を開けて舌を巻き、息を吸い込みます。そして、口を閉じて鼻からゆっくりと息を吐きます。これを繰り返し行います。

シータリは体温を下げる効果があり、リラックス効果も期待できます。暑い季節やストレスがたまっているときに特に効果的です。

ヨガの呼吸法の応用

ヨガの呼吸法の日常生活への応用

ヨガの呼吸法は、日常生活においても応用することができます。正しい呼吸法を身につけることで、リラックスした状態を保つことができます。

例えば、ストレスや緊張がある場面で深呼吸をすることで、心身の緊張をほぐすことができます。また、集中力を高めたい時やリフレッシュしたい時にも、ヨガの呼吸法を活用することができます。

ヨガの呼吸法のメンタルヘルスへの効果

ヨガの呼吸法は、メンタルヘルスにも効果があります。深くゆったりとした呼吸をすることで、ストレスや不安を軽減することができます。また、呼吸に意識を集中させることで、マインドフルネス(心のあり方)を高めることができます。ヨガの呼吸法は、心身のバランスを整え、心の平穏をもたらす効果があります。

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