自宅でできるヨガの始め方

ヨガ

自宅でできるヨガの始め方

ヨガは心と体の健康に効果的なエクササイズです。自宅でヨガを始めるためには、以下のポイントに注意してください。

ヨガの効果

ヨガはストレスの軽減や筋力の向上、柔軟性の向上など、さまざまな効果があります。また、ヨガは心身のバランスを整える効果もあります。

必要な道具とスペース

ヨガを行うためにはヨガマットや、内容によってはクッションなどの道具が必要です。また、ヨガを行うスペースは動きに制限がでない空間と、できるだけ静かな場所の方が望ましいです。

以上が自宅でヨガを始めるための基本的な情報です。

次は、ヨガの呼吸法について学んでいきましょう。

ヨガの呼吸法を学ぼう

ヨガをする際に呼吸法はとてもだ重要視されています。この章では、ヨガの基本となる呼吸法を紹介していきます。

ヨガの基本の呼吸法

呼吸には「鼻呼吸」と「口呼吸」があることはご存知だと思います。

鼻呼吸は体内に粉塵や微生物を入りづらくするのに対し、口呼吸は風邪のウイルスや細菌が体内に入りやすくなると言われます。また口呼吸は口臭や虫歯・歯周病菌が繁殖しやすいとも言われます。そのため鼻呼吸は普段の呼吸に推奨される呼吸法です。ストレスの軽減にも良いそうです。

ヨガの呼吸も基本的には鼻呼吸が多いですが、ポーズや流派によって口から吸って吐く胸式呼吸や、口から吸って鼻から吐くシータリー呼吸などもあります。

では、最も基本的な呼吸法のやり方について説明していきます。

 腹式呼吸(ブラストリカ)

腹式呼吸は、息を吸いながらお腹を膨らませて、吐くときにへこませる呼吸法で、ヨガの基本的な呼吸法の一つです。ヨガでポーズを取ったりするときに主に使われる呼吸法です。

腹式呼吸は内臓を活性化して副交感神経を活発にする働きがあります。また自律神経のうち副交感神経を優位にさせたり筋肉をゆるめる効果があるので、緊張をほぐして気持ちを落ち着けたり、リラックスしたいときに効果的です。

腹式呼吸は以下の手順で行います。

  1. まず、ゆったりと座り、背筋を伸ばしてあごを軽く引く。
  2. 鼻から大きく息を吸ってお腹を膨らませる。このときに横隔膜が下がる。
  3. 吸い込んだ息を数えながら、ゆっくりと吐き出す。吐くときにはお腹を引き締めるように意識する。このときに横隔膜が戻る。
  4. 徐々に息を吸う時間よりも吐く時間を長くしながら、この呼吸を数回繰り返す。

 胸式呼吸

胸式呼吸は、息を吸ったときに胸がふくらみ(肋骨が広がり)吐くときに戻る呼吸法です。ピラティスのエクササイズなどでよく使われるのは胸式呼吸です。

腹式呼吸より浅く早い呼吸になります。肺全体を大きく使うことができるので、肺活量を高めることができます。自律神経のうち交感神経の働きを高める効果があります。身体を活動モードへと切り替えるので、筋トレや運動パフォーマンス向上、リフレッシュに向いている呼吸法です。

胸式呼吸は以下の手順で行います。

  1. まず、ゆったりと座り、背筋を伸ばしてあごを軽く引く。
  2. 鼻から軽く息を吐いて、お腹をへこませる。
  3. お腹をへこませた状態で、肋骨が広げながら鼻からゆっくりと息を吸う。
  4. 鼻からゆっくりと息を吐いて、肋骨を基に位置に戻す。
  5. この呼吸を、徐々に息を吸う時間よりも、吐く時間を長くしながら数回繰り返す。

基本的な呼吸法を習得することで、ヨガの効果を最大限に引き出すことができます。日常生活でも、ストレスや疲労感を感じた時には、深い呼吸を意識して行うことでリラックス効果を得ることができます。

↓↓さらに深く呼吸法を学びたい方はこちらも参照ください↓↓

ヨガのストレッチを学ぼう

ここでご紹介するストレッチは、ヨガに限らずエクササイズとしても様々なクラスに導入される動きです。自分でも簡単にできるストレッチなので、覚えておくと役に立ちます。

– 背中まわりのストレッチ

背中のストレッチは、背中の筋肉をほぐすために行います。背中のストレッチは、 肩こりや首こりの改善にもつながります。また、肩甲骨の周りをほぐすと、血行がよくなり代謝も上がりやすくなります。パソコン作業やスマホ操作の多い方、猫背の方などは、毎日継続して行うとよいでしょう。

キャットアンドカウ(猫のポーズ)

キャットアンドカウは、背中肩甲骨周りを動かしてほぐすことができます。

キャットアンドカウは、以下の手順で行います。

  1. マットの上で四つん這いになり、手は肩の下に置く。
  2. 息を吸って吐きながら背中を丸めて目線をおへそへ(腰が丸まり骨盤が後傾になる)
  3. 息を吸って吐きながら背中を反らせる(腰が反って骨盤が前傾になる)
  4. 同じ事を10回繰り返す。
    ※この動きのコツは、24個ある椎骨をひとつひとつ動かす意識で行うことです。

背中を丸めるストレッチ

キャットアンドカウの背中を丸めるポーズを、同じ要領で椅子に座った姿勢立ち姿勢で行うストレッチです。デスクワークや立ち仕事のリフレッシュにも効果的です。

背中を丸めるストレッチは、以下の手順で行います。

  1. 椅子に座り(または立ち姿勢で)、背筋をまっすぐに伸ばす。
  2. 両手を胸の前に組み、肘を張って胸の高さにする。
  3. 背中を丸め、お腹を見るようにしながら、ゆっくりと組んだ手を前方へ遠ざけて肘を伸ばす。その際、肘を伸ばしきらなくてよい。背中の伸びを感じることが大切です。
  4. この状態で数秒間キープする。余裕があれば背中を丸めた姿勢をキープしたまま、組んだ手を左右にスライドさせたり、八の字を描くようにすると、背中の広範囲にストレッチをかけられます。
  5. 終わったら、ゆっくりと元の姿勢に戻る。

– 肩と腕のストレッチ

肩のストレッチ、主に肩まわりの筋肉「三角筋」をほぐすために行います。三角筋とは肩周りを覆う大きな筋肉のことです。

肩こりがひどい場合に、マッサージなどでよくほぐすのは「僧帽筋」という首の付け根から肩甲骨内側・背中の中央についている筋肉だと思いますが、実はこの「三角筋」もほぐすことが大事なのです。

腕のストレッチ、肩と肘の間の「二の腕」と呼ばれる場所をほぐすために行います。二の腕には2つの筋肉があります。

1つは腕の内側にあり力こぶができる部分の筋肉を「上腕二頭筋」です。この筋肉は主に物を持ち上げたりするときに使われます。
もう1つは、腕の外側にある「上腕三頭筋」です。この筋肉は腕を伸ばすときに働き、物を押すような動作で使われます。また物を投げるときにも使われます。特に女性はこの筋肉を使わず衰えてくると皮下脂肪がつきやすく、プルプルと弛んでくるので「振袖」などと呼ばれます。

これら肩や腕まわりの筋肉のストレッチを日常的に行いほぐすことで、肩こりや首こりなどの改善が期待できます。

三角筋のストレッチ

長期間パソコン作業やデスクワークなどをしていると、肩の筋肉「三角筋」に負担がかかり、肩こりなどの原因になります。三角筋のストレッチは、肩こり・首こりの解消以外にも、巻き方解消や基礎代謝アップにも効果が期待できます。

三角筋のストレッチは以下の手順で行います。

  1. 上体をまっすぐ伸ばし、両腕は体側で下へおろす。
  2. 右腕を前へ持ち上げていき、肩の高さで前へ伸ばす。
  3. 右腕を肩の高さのまま、胸に近づけるように左へ持っていく。
  4. 左腕は体側で下ろしたまま肘から曲げて、右の肘下あたりにあてて押さえる。
  5. 右肩が上がらないよう引き下げたまま、左の肘下で右手を胸側へ寄せる。このときに右肩から右腕の外側が伸びることを感じる。
  6. その状態で数秒間キープし、ゆっくりと元の姿勢に戻る。
  7. 反対の腕も同様の手順で行う。

上腕二頭筋のストレッチ

上腕二頭筋が硬くなると、四十肩や五十肩などを引き起こすリスクが高まります。この部分をケアしておくことで、肘関節や肩関節の可動域を保つことにつながります。

上腕二頭筋のストレッチは以下の手順で行います。

壁がある場合のやり方

  1. 壁から腕の長さ分だけ離れ、右の体側を壁に向かけてまっすぐ立つ。
  2. 右腕を肩の高さくらいで壁の方へ伸ばす。
    (壁に手を置く高さによって、ストレッチされる箇所が変わるので、位置をずらしながら気持ちの良い場所を探す)
  3. 右肘の裏が前に来るように、指先を後ろに向けて手のひらを壁につける(イラスト左)。
  4. 肘を伸ばし手をつけたまま、体の向きを徐々に左方向へ回転させていく。
  5. 腕の内側「上腕二頭筋」が気持ちよく伸びる位置を探せたら30秒程度キープしたら体の向きを戻して緩める。
  6. 5の動き(伸ばして緩めること)を3〜4回行う。
  7. 反対の腕も同じ要領で行う。

壁がない場合のやり方

  1. 左の腕を前方向へ伸ばしす。肘をしっかり伸ばしたままにする。
  2. 手のひらが前を向くようにして右手で左の指4本を持ち、自分の方へ引き寄せて腕の内側「上腕二頭筋」から肘下まで全体が伸びることを感じる。
    この際に左肘が曲がらないよう伸ばしておく。
  3. 反対の腕も同じ要領で行う。

上腕三頭筋のストレッチ

上腕三頭筋が硬くなると、脇のリンパの流れが滞り肩こりが治りにくくなってしまいます。また上腕三頭筋の硬さは、万歳など腕を上げたときに肘が伸びきらなかったりします。この部分をケアすることで、肩こり改善肩関節の動きをスムーズになるなどの効果が期待できます。

上腕三頭筋のストレッチは以下の手順で行います。

  1. 上体をまっすぐにする。
  2. 右腕を真上にあげて肘を曲げる。腕は頭より後ろ側に回す。
  3. 右の肘に左手を添えて、右肘を真下方向に押す。下へ押したまま徐々に左方向へ引っ張るようにすると、体側の方まで伸ばされる。
  4. 気持ちのよい場所を探せたら、30秒ほどキープ。
  5. 押す力を緩めてから、3〜4を3回繰り返す。
  6. 反対の腕も同様の手順で行う。

– 脚のストレッチ

脚のストレッチは、腿まわりの筋肉をほぐすために行います。いわゆる太ももと呼ばれる部分のことです。太ももには3つの大きな筋肉があります。

日常生活で歩いたり走ったり、股関節を曲げてかがんだり、膝を伸ばしたりするときに使う腿前の筋肉が「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」です。また、階段を降りるときにも大腿四頭筋を使っています。

それに対して腿裏にある筋肉が「ハムストリングです。ハムストリングは、基本的に大腿四頭筋と反対の動きをします。例えば、股関節を伸ばすとき、膝を曲げるときなどに使われます。階段を上るときにも、ハムストリングとお尻の筋肉を使っています。

そして、3つ目の筋肉が太ももの内側にある「内転筋群です。内転筋も普段あまり使っている意識を持ちにくいですが、脚が外側に広がらないよう中心に保つ働きをしています。そのため内転筋が硬くなったり衰えると、歩行の安定性が低下したり、ガニ股・O脚になりやすくなったり、膝の内側に痛みが出るなどしてしまいます。

大腿四頭筋(だいたいしとうきん)のストレッチ

大腿四頭筋(腿前)が硬くなってしまうと、膝を伸ばしにくくなったり、股関節に負担がかかり膝痛や変形性膝関節症を引き起こすリスクが高まります。また腰痛の原因にもなります。

大腿四頭筋のストレッチは以下の手順で行います。

  1. マットの上で、左足の甲を床につけた状態で膝を曲げ、右足はまっすぐ伸ばす。曲げた脚は体から離れないようにして、つま先が床から浮かないようにする。
  2. 両手を後ろにつき、ゆっくりと上体を後ろへ倒していく。深く倒す必要はなく、左の腿前が気持ちよく伸びるところでキープ。深く倒した場合は、肘を床について体を支える。
  3. 30秒ほどキープしたら元に戻す。3回ほど繰り返す。
  4. 反対の脚も同じように行う。

ハムストリングのストレッチ

ハムストリングは大腿四頭筋と反対の動きをしますが、歩いたり走ったりするときにも、足裏で地面を蹴って前へ体を運び出す動作に使われます。

ハムストリングは裏方のような働きをするので、普段あまり使っているという意識がありませんが、とても大事な筋肉です。そのためこのハムストリングが衰えたりケアが行き届いていないと、骨盤後傾などを引き起こしたり、歩行がうまく行えなくなったり、膝のトラブルを抱えたりというようなリスクが出てしまいます。

ハムストリングのストレッチは長めのタオルを使って以下の手順で行ってみましょう。

  1. マットに両膝を立てて、仰向けに寝る。
  2. 左の足裏にタオルをを引っ掛けて、左膝を伸ばしながら足を天井方向へ上げる。
  3. 左膝が伸びきったら、右の膝もマットの上で徐々に伸ばしていく。無理に伸ばしきらなくてOK。
  4. 左の腿裏(ハムストリング)が気持ちよく伸びているところで30秒ほどキープ。余裕があればタオルを手前に引っ張り足を頭側に倒したり戻したりする。
  5. 一度左膝を少し曲げて緩めたら、4.を3回繰り返す。
  6. 反対の脚も同じように行う。

内転筋のストレッチ

内転筋が硬くなると、腿の外側の筋肉に負担がかかるので、前から見たときに外腿が横に張り出してきます。また、お尻の筋肉を効率よく使えなくなったり、股関節も硬くなるとふくらはぎに負担がかかり太くなります。
内転筋群をストレッチでほぐしておくと、股関節の可動域が広がりやすくなり、歩行もスムーズになったり、外腿がスッキリとして美脚効果もあります。

内転筋のストレッチには、ヨガの合せきポーズ「バッダコナーサナ」が効果的です。

バッダコナーサナは以下の手順で行います。

  1. マットの上に長座で座る。
  2. 両膝を軽く曲げて足裏同士を合わせる。
  3. 両手を足の甲を包むようにサポートし、踵を自分の方へ出来るところまで近づける。
  4. 息を吸いながら背骨から頭までをまっすぐにする。頭のてっぺんが天井から吊られているような意識。
  5. 息を吐きながら背骨から頭までまっすぐをキープしたまま上体を前に倒していく。
  6. 腿の内側・股関節周りが気持ちよく伸びるところで30秒ほどキープ。
  7. ゆっくり上体の位置を戻し、4〜5を3回繰り返す。

ヨガの基本ポーズを学ぼう

山のポーズ(ターダーサナ)/マウンテンポーズ

山のポーズは、ヨガの基本的なポーズの一つです。脚の強化や、骨盤の歪み調整、姿勢改善、扁平足改善などが期待できる効果です。また全身の疲労感を改善する効果もあるとして注目されています。

山のポーズは以下の手順で行います。

  1. 骨盤の幅に足を軽く開き、床の上にまっすぐ立つ。
  2. 足の指を持ち上げて開き、床を捉えるように置き直す。
  3. 大きく息を吸ってお腹から胸・肩を上に引き上げ、お腹の位置は引き上げたまま、吐きながら肩が耳から遠ざかるように下げる。
  4. 頭のてっぺんを天井から吊られているように引き上げ、背筋を真っ直ぐ伸ばす。
  5. 胸を開いてアゴを引き、数回呼吸を繰り返す。

マウンテンポーズは、姿勢を正しい状態に整えるための基本的なポーズです。背筋を伸ばし、体のバランスを整えることで、身体の中心を安定させる効果があります。

木のポーズ(ヴルクシャーサナ) /ツリーポーズ

木のポーズはバランスを取るためのポーズであり、ヨガの基本的なポーズの一つです。バランス感覚を向上し、脚力強化や集中力アップにもつながるポーズです。また、左右差のチェックにもなります。

木のポーズは以下の手順で行います。

  1. 山のポーズの要領で、足を揃えてまっすぐ立ち背筋を上下に長く伸ばす。
  2. 右足を曲げて足裏を左足首に当てる。
  3. 右足の位置を上に持ち上げていき、足裏を左太ももに押し付ける。
  4. 両手を胸の前で合掌してバランスを取る。余裕があれば、合わせた手をゆっくりと頭上に伸ばす。
  5. 3〜5回ほど呼吸しキープしたら足と手を下ろす。
  6. 反対側も同じ要領で行う。

ツリーポーズは、バランスを取ることで集中力を高める効果があります。また、足の筋力を鍛えることで、姿勢を改善する効果も期待できます。

三角のポーズ(ウッティタトリコーナーサナ)

三角のポーズは、体の側面を伸ばすポーズです。体全体が伸ばされ、リンパの流れや血流の改善が期待できます。また下半身の筋力アップや、体幹強化にも適したポーズです。

三角のポーズは以下の手順で行います。

  1. まず、両足を横に広げてマットと並行に立つ。その際、手のひらの下に足がくるように両足は左右に大きく開き、つま先は体の正面方向に向ける。
  2. 右足踵を軸にしてつま先を90度外側へ回転させる。左足先は45度内側に向ける。
  3. 吸う息で背筋を伸ばして、上体をやや右側へスライドさせる。
  4. 息をゆっくりと吐きながら上体を右に倒し、右手を足の甲か足首に置く。
  5. 左手は天井に向けて伸ばし、視線は正面、または天井に伸ばした左手の方へ向ける。
  6. 3〜5回ほど呼吸をしてキープして、体を伸びを感じる。
  7. 終わったら、反対側も同じ要領で行う。

ダウンドッグ(下を向いた犬のポーズ)

ダウンドッグは、たくさんの効果が期待できるポーズです。まず全身のストレッチになり、筋力をアップさせ、関節や筋肉の柔軟性を高め、お腹や腕・お尻の引き締め、肩こり・腰痛などの改善、血行促進なども期待できます。

ダウンドッグは、以下の手順で行います。

  1. 四つん這いになり、両手を肩幅よりやや広めで肩の下に置く。腰の真下に膝を置き、つま先を立てる。
  2. 両手を手1つ分ほど前に移動し、息を吸いながらお尻をす少しずつ上に持ち上げていく。天井から吊り上げらるイメージ。
  3. 手の指は開いて、体を支えながら両肘を伸ばしていく。
  4. 呼吸を続けながら踵を床へ近づける。両膝も伸ばせるところまで伸ばす。曲がっていてもOK。膝を伸ばすより、背中を真っ直ぐにして伸ばす方を優先する。
  5. できそうな場合は、踵をあげて3呼吸キープ。

ヨガの瞑想法を学ぼう

瞑想とマインドフルネス

瞑想(メディテーション)」という言葉を聞くと、宗教的なイメージが強く抵抗があるという方もまだまだいると思います。確かに瞑想は、古代インドで宗教と哲学の一部として発祥したヨガの目的を実現するための精神修行でした。

しかし現代での瞑想は、悟りや解脱のための修行というより、もう少し世俗的な要素が強くなっています。健康の向上や自己の成長のために、「自分と向き合い内観する」ためのアプローチとして広まっていると言えるでしょう。

一方、瞑想(メディテーション)と似た言葉で、「マインドフルネス」という言葉もよく耳にすると思います。マインドフルネスは、マサチューセッツ大学医学校名誉教授のジョン・カバットジン博士によって創始された「ストレス低減プログラム」という心理学的治療法の1つです。

瞑想もマインドフルネスも、メンタルの安定へのアプローチという意味では共通しています。異なる点は、瞑想が「自分と向き合う」ことに対し、マインドフルネスは「今この瞬間に集中する」アプローチであることです。

また、うつ不安症の治療としてだけでなく、健康な人でも集中力や創造力、生産性などを高めるとして、社員向け研修などビジネスシーンでも取り入れられています。

瞑想の効果

ヨガの瞑想法は、心と体のリラックスやストレス解消に効果があります。以下に瞑想の効果をいくつかご紹介します。

  • ストレスの軽減:瞑想は、心の安定やリラックスを促すため、日常のストレスを軽減する効果があります。
  • 集中力の向上:瞑想は、集中力や注意力を高める効果があります。日常生活や仕事においても集中力を必要とする場面で役立ちます。
  • 心の安定:瞑想は、心の浮き沈みを抑え、心の安定をもたらす効果があります。心のバランスを整えることで、穏やかな気持ちを保つことができます。
  • 創造力の向上:瞑想は、創造力を高める効果があります。心を静めることで、アイデアや新しい視点を生み出す力を引き出すことができます。

瞑想のポーズ

ヨガの瞑想は、心を落ち着けるためのポーズがいくつかあります。そのうち代表的な2つのポーズをご紹介します。

安楽座(スカーサナ)

「安楽座(スカーサナ)」は、ヨガの瞑想でよく行われる代表的な座位ポーズの1つです。
股関節などに痛みが出る場合は、クッションやヨガブロックを使って、腰や膝の負担を軽減することもできます。

安楽座(スカーサナ)は、以下の手順で行います。

  1. 床に座って膝を曲げ、踵を体に引き寄せる。無理に体へ近づけなくてもOK。
  2. 踵の位置が体の中心になるよう揃える。左右対称を意識する。
  3. 骨盤を立て、坐骨に均等に体重が乗るように調整する。
  4. 背筋を伸ばし、胸を広げて手のひらを上にして膝の上に乗せる。
    親指と人差し指の先を合わせて輪を作る「チンムドラ」にしても良い。
  5. 目線はまっすぐ正面へむけて一点を見つめる。または目を薄く閉じる。
  6. 10回ほど深く呼吸をしたら足を入れ替える。

蓮華座(パドマーサナ)

「蓮華座(パドマーサナ)」もヨガでよく使われる代表的なポーズで、座禅の定番坐法でもあります。安楽座(スカーサナ)よりも柔軟性が必要です。

蓮華座(パドマーサナ)は、以下の手順で行います。

  1. 床に両脚を伸ばして座る。骨盤を立てて背筋を伸ばし、坐骨に体重が均等に乗るようにする。
  2. 右膝を曲げて両手で足を持ち、左腿の付け根に乗せる。踵がおへその近くになるようにする。
  3. 左膝も曲げて、左足を両手で持ち、左足の甲を右脚の鼠蹊部に乗せる。足の裏は両方とも上向きにしておく。
  4. 目線はやや下向き、あごは上げていても下げていても良い。
  5. 両腕を伸ばして手の甲を膝の上に乗せる。親指と人差し指の先を合わせて輪を作る「チンムドラ」にしても良い。
  6. 10回ほど深く呼吸をしたら足を入れ替える。

瞑想法の種類

瞑想のやり方にもいくつかの方法があります。取り入れやすい方法から始めてみてはいかがでしょうか。

呼吸瞑想

呼吸瞑想は最もベーシックで、自分の呼吸に集中する瞑想法です。鼻呼吸で行うので、口呼吸から矯正したい人にも効果的です。

また呼吸は、「今自分が生きている」ということを実感できることでもあるので、自分を受け入れ、ストレスの軽減が期待できます。

呼吸瞑想は、以下の手順で行います。

  1. 安楽座(スカーサナ)やあぐらなど瞑想のポーズをとる。
  2. 骨盤を立てて背筋を伸ばし、坐骨に均等に体重が乗るように調整する。
  3. 体の無駄な力を抜いて目を閉じ、4~6秒間かけてゆっくりと鼻から息を吸う。
  4. 8~16秒間かけてゆっくり鼻から息を吐く。
  5. 気持ちを呼吸に集中して、3〜4を5分程度繰り返す。
    頭に考え事が浮かんだり、戸外の音に気持ちが向いても無理に遮断せず、自然と呼吸に意識を戻しながら行うと良い。

マインドフルネス瞑想

マインドフルネスは、瞑想とヨーガを基本としていますが、アーサナ(ヨガのポーズ)を目的としたものではなく、呼吸や体温・リラックス度などを観察し、自分の体や感覚と向き合うことを目的としています。

自分の体に集中して「今ここに存在する」ことを実践していくことで、自己受容や的確な判断、セルフコントロールが可能になるというプログラムです。

マインドフルネス瞑想は、以下の手順で行います。

  1. 椅子か床に座ったポーズをとる。マットに仰向けで寝ても良い。
    床に座る場合は、安楽座(スカーサナ)やあぐらなど瞑想のポーズがおすすめです。
  2. 背筋を伸ばし、肩や顔など体の無駄な力をぬく。目を閉じるかどうかは各自の選択。
  3. 自分の呼吸に気持ちを集中させる。息を吸った時のお腹が膨らみ、吐いた時にへこむことを感じる。今の自分の体の状態に意識を集中することは、「今この瞬間に集中すること」です。
  4. 頭の中で他のことが浮かんだり考え始めたら、再び自分の呼吸へ意識を戻すようにしながら進める。
  5. 10〜15分呼吸を続けがら、自分の体の観察を実践する。

マントラ瞑想

マントラは、特定の音や言葉を繰り返し唱えることで、心を集中させるためのツールです。以下の手順で行います。代表的なマントラには「オーームーーー」と唱えるものや、「ソーハム」と唱えるものなどがありますが、唱える内容は好きな言葉やフレーズなど選ぶと気分が高まりやすく効果的でしょう。

マントラ瞑想は、以下の手順で行います。

  1. まず、座禅のポーズ(蓮華座)を取ります。
  2. 目を閉じ、深呼吸を行いながらリラックスします。
  3. 心の中で特定の音や言葉を選びます。
  4. 選んだマントラをゆっくりと繰り返し唱えます。呼吸に合わせて唱えることも効果的です。
  5. マントラの唱え方を数分間続けます。集中力が切れたら、再び深呼吸を行いながらリラックスします。

ヨガのスケジュール

ヨガの時間帯

ヨガを行う時間に決まりはありませんが、実際に適した時間帯というのはあります。

ヨガを行うのに適している時間帯は、目覚めた後に交感神経が優位になると、日が暮れて副交感神経が優位になるです。それぞれ効果が異なり、また適したポーズや強度も違います。

交感神経も副交感神経も「自律神経」で、それぞれ異なる働きがあるんですよ。日中に活発に活動すると活発に働くのが交感神経で、夜の眠気の出る時間帯や休息・リラックスするときに働くのが副交感神経ですよ。

朝食前の空腹の状態で行う朝ヨガは、排泄機能を促したり代謝がアップするので、むくみや便秘解消、ダイエットにも最適なタイミングです。朝の新鮮な空気を体内に取り込むことで、体や頭も目覚めてスッキリとした気持ちになれます。

また、朝ヨガは集中力も高めてくれるので、仕事の効率アップも期待できます。一日の始まりを良い状態で迎えることができるのが朝ヨガのメリットです。

一方、夜ヨガも朝とは異なる効果が得られます。一日の終わりの疲れた心身を快眠に導いてくれる効果があるのが夜ヨガです。夜のヨガは、呼吸と長めのポーズにより副交感神経を優位にすることができます。それによりリラックス効果があり、良質な睡眠を促すことができます。

また、深いリラックスを得ることによるストレス解消の効果や、浮腫んだ下半身の解消も期待できるのも夜ヨガのメリットです。

反対にヨガを避けたいタイミングですが、食事の前後それぞれ2時間は空けることが望ましいです。胃の中に食べたものがある状態でヨガを行うと、消化がうまく行えなくなったり消化器官に負担をかけてしまいます。また、ポーズによっては気分が悪くなってしまうこともあります。

もし空腹すぎて何かお腹に入れたい場合は、ゼリー飲料やナッツ類などがおすすめです。しっかり咀嚼すれば満腹中枢も刺激してくれるので、ヨガに集中できることでしょう。

ヨガの頻度

ヨガの頻度は、個人の目標や体力によって異なりますが、週に3回から5回程度行うことが推奨されています。ヨガは継続して行うことで効果が現れるため、毎日少しずつ行うことが理想的です。

ただし、無理なく自分のペースで行うことが大切です。疲労が残っている時に、無理なトレーニングをすれば逆効果になることもあるので注意しましょう。

ヨガの進行方法

ヨガの進行方法は、自分の体力や経験に合わせて行うことが重要です。

初心者の場合は、基本ポーズから始めて徐々に難易度を上げていくと良いでしょう。また、ヨガのポーズを行う前に、呼吸法やストレッチを行うことで身体を準備しましょう。ヨガは無理なく行うことが大切なので、自分の体に合わせて無理のない範囲で行いましょう。

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