「花輪のポーズ(マーラーサナ)」は、両足を開いて深くしゃがみ、胸の前で手を合わせるヨガのポーズです。一見シンプルに見えますが、実際にやってみると「かかとが浮いてしまう」「深くしゃがめない」「後ろに倒れそうになる」という方も少なくありません。
大切なのは、写真と同じように深くしゃがむことではなく、自分の股関節や足首の動きに合わせて無理のない姿勢を選ぶことです。タオルやヨガブロック、壁などを使えば、ポーズを軽減することもできます。
「花輪のポーズにはどんな効果があるの?」と気になる方もいるかもしれません。この記事では、ポーズの中で身体のどの部分を使うのかを確認しながら、基本的なやり方や、うまくできないときの軽減法、実践するときのポイントまで、初心者にもわかりやすく紹介します。
日本語名 :花輪のポーズ
サンスクリット語名:マーラーサナ、マラーサナ (Malasana):
英語名 :Garland Pose
花輪のポーズ(マーラーサナ)とは?
花輪のポーズは、足を開いて深くしゃがみ、胸の前で両手を合わせるヨガのポーズです。サンスクリット語では「マーラーサナ(Malasana)」と呼ばれます。
「マーラー(Mala)」には「花輪」「首飾り」などの意味があり、日本では一般的に「花輪のポーズ」と呼ばれています。
深くしゃがむ姿勢では、股関節や膝、足首などを曲げながら姿勢を保ちます。また、両肘で膝の内側をやさしく押すようにすると、内ももや股関節まわりにも伸びを感じることがあります。
ただし、股関節や足首の動きやすさ、脚の長さ、骨格などには個人差があるため、同じようにしゃがんでもポーズの形は人によって異なります。
かかとが床につかなかったり、深くしゃがめなかったりしても、「花輪のポーズができない」と考える必要はありません。無理に完成形を目指さず、自分の身体に合わせて姿勢の深さや足幅を調整してみましょう。

花輪のポーズで使う主な身体の部位
花輪のポーズでは、深くしゃがむ動きのなかで、股関節・膝・足首など下半身のさまざまな関節を使います。どこまでしゃがめるか、どの部分に伸びを感じるかには個人差があります。
まずは、ポーズのなかで身体のどこが動いているのかを確認してみましょう。
◆ 股関節
花輪のポーズでは、脚を開きながら股関節を深く曲げてしゃがみます。両肘を膝の内側に添えてやさしく外へ開くと、股関節まわりや内ももに伸びを感じることがあります。
股関節の動かしやすさには個人差があるため、無理に膝を外へ押し広げる必要はありません。
◆ 足首
深くしゃがむときには、すねが足の甲に近づくように足首を曲げます。足首を曲げられる範囲が小さいと、しゃがんだときにかかとが床から浮きやすくなることがあります。
かかとが浮いてしまう場合は、無理に床へ押しつけず、丸めたタオルやブランケットなどをかかとの下に入れると姿勢を保ちやすくなります。
◆ 膝
花輪のポーズでは、膝を深く曲げた状態でしゃがみます。膝の向きは、つま先とおおよそ同じ方向を意識し、内側へ入りすぎないようにしましょう。
膝に痛みや強い違和感がある場合は、深くしゃがまず、ポーズを中止することも大切です。
◆ 内もも
脚を開いてしゃがむことで、内もも周辺に伸びを感じることがあります。両肘を膝の内側に添える場合も、強く押すのではなく、呼吸を続けながら心地よく感じられる範囲で行いましょう。
◆ 背中・上半身
深くしゃがむことに意識が向きやすいポーズですが、上半身の姿勢も大切です。胸の前で手を合わせ、肩の力を抜きながら、背中を無理のない範囲で伸ばします。
しゃがむと背中が大きく丸くなってしまう場合は、無理に胸を起こそうとするのではなく、しゃがむ深さを浅くしたり、お尻の下にヨガブロックを置いたりして調整してみましょう。

花輪のポーズの正しいやり方をマスターしよう!
花輪のポーズを正しく行うためには、いくつかのポイントを意識してステップを踏むことが大切です。また、腰を落とした際に踵が床から浮いてしまう場合には、踵の下にタオルなどを敷くことで膝への負担を軽くすると良いでしょう。
花輪のポーズのやり方 | 4ステップ
花輪のポーズは、足を開いた状態からゆっくりと腰を下ろしていきます。深くしゃがむことよりも、足裏で床を感じながら、無理のない位置で姿勢を安定させることを意識しましょう。
- 足を開いて立つ
両足を腰幅よりやや広めに開いて立ちます。つま先は無理のない範囲で少し外側へ向け、足裏全体で床を感じるようにします。肩の力を抜き、自然な呼吸を続けましょう。 - ゆっくり腰を下ろす
息を吐きながら膝を曲げ、ゆっくりと腰を下ろしていきます。膝とつま先がおおよそ同じ方向を向くように意識しながら、自分が安定して保てる深さまでしゃがみます。
かかとが床から浮く場合は、無理に押しつける必要はありません。 - 胸の前で手を合わせる
胸の前で両手のひらを合わせ、両肘を膝の内側に添えます。肘で膝を強く押すのではなく、股関節や内ももの様子を感じながら、心地よい範囲で膝を外側へ開きます。肩や首に余計な力が入らないようにしましょう。 - 自然な呼吸を続ける
背中を無理のない範囲で伸ばし、目線を正面または少し前の床へ向けます。自然な呼吸を数回続けながら、足裏や股関節、内ももなどの感覚を観察してみましょう。
ポーズから戻るときは、両手を床などについて身体を支えながら、ゆっくりと姿勢を変えます。立ち上がる場合も急がず、自分のペースで戻りましょう。

かかとが浮く場合や、この姿勢を保ちにくい場合は、無理のない深さで行いましょう。
花輪のポーズができないときは?
花輪のポーズをやってみると、「かかとが浮く」「深くしゃがめない」「後ろに倒れそうになる」など、さまざまな難しさを感じることがあります。身体の動かしやすさや骨格などには個人差があるため、写真とまったく同じ形にならなくても大丈夫です。
うまく姿勢を保てないときは、無理に完成形に近づけようとせず、タオルやヨガブロック、壁などを使って調整してみましょう。
▼ かかとが浮いてしまう
深くしゃがんだときに、かかとが床から浮いてしまうことがあります。花輪のポーズでは足首を深く曲げるため、足首を動かせる範囲などによっては、かかとを床につけたまましゃがむことが難しい場合があります。
【軽減方法】
かかとの下に、折りたたんだタオルやブランケットを敷いてみましょう。床とかかとの間を支えることで、かかとを無理に床へ押しつけなくても姿勢をとりやすくなります。タオルの厚さは、自分が安定してしゃがめる高さに調整してください。

▼ 深くしゃがめない
腰を下ろそうとしても途中で止まってしまったり、深くしゃがむと姿勢が不安定になったりする場合があります。花輪のポーズは、深くしゃがむことそのものが目的ではありません。
【軽減方法】
お尻の下にヨガブロックを置き、ブロックに腰掛けるようにしてポーズをとってみましょう。高さが足りない場合は、ブロックの向きを変えたり、安定した高さになるよう調整します。ブロックに身体を預けることで、しゃがむ深さを調整しながら花輪のポーズの形を練習できます。

▼ 後ろに倒れそうになる
しゃがんだときに身体が後ろへ傾き、バランスを保ちにくいこともあります。無理に胸を起こそうとすると、さらに姿勢が不安定になる場合もあります。
【軽減方法】
壁の近くで行い、必要に応じて身体を壁で支えながらしゃがんでみましょう。また、お尻の下にヨガブロックを置いて身体を支える方法もあります。まずは「倒れないように頑張る」ことよりも、安心して姿勢を保てる環境をつくることを優先しましょう。

▼ 背中が丸くなってしまう
深くしゃがもうとすると、骨盤が後ろへ傾き、背中が丸くなることがあります。背中をまっすぐにしようとして、胸を無理に張る必要はありません。
【軽減方法】
少し浅い位置まで腰を上げるか、お尻の下にヨガブロックを置いてみましょう。肩の力を抜き、背中を無理に反らせず、自然に呼吸を続けられる位置を探します。完成形の深さよりも、上半身に余計な力が入らない姿勢を優先しましょう。

▼ 膝や股関節に痛み・違和感がある
花輪のポーズでは、膝や股関節を大きく曲げるため、人によっては負担や違和感を感じることがあります。まず足幅やつま先の向き、しゃがむ深さを少し変えて、無理なく動ける範囲を探してみましょう。
ただし、痛みがある状態でポーズを続ける必要はありません痛みや強い違和感を感じた場合はポーズを中止し、膝や股関節に不安がある方や治療中の方は、医師などの専門家に相談したうえで行いましょう。
花輪のポーズをするときのポイント
花輪のポーズでは、どれだけ深くしゃがめるかよりも、無理なく姿勢を保ちながら呼吸を続けられることが大切です。ポーズを練習するときは、次のポイントを意識してみましょう。
□ 足幅やつま先の向きを調整する
足幅やつま先の向きは、すべての人が同じである必要はありません。腰幅よりやや広めを目安に足を開き、つま先を少し外側へ向けます。しゃがんだときに窮屈さを感じる場合は、足幅やつま先の角度を少しずつ変えながら、自分が安定しやすい位置を探してみましょう。
□ 膝とつま先の向きを意識する
腰を下ろすときは、膝とつま先がおおよそ同じ方向を向くように意識します。膝を外側へ開くことだけに集中せず、足裏で床を感じながら、膝に無理のない位置で姿勢を保ちましょう。
□ 肘で膝を強く押さない
胸の前で両手を合わせたら、肘を膝の内側にやさしく添えます。股関節を大きく開こうとして、肘で膝を強く押す必要はありません。呼吸を続けながら、内ももや股関節まわりに心地よい伸びを感じられる程度に調整しましょう。
□ 背中を無理に伸ばそうとしない
花輪のポーズでは胸を起こした姿勢が紹介されることが多いですが、背中をまっすぐにしようとして腰を強く反らせたり、胸を張りすぎたりする必要はありません。肩や首の力を抜き、自然な呼吸を続けられる姿勢を優先します。
上半身を起こしにくい場合は、しゃがむ深さを浅くしたり、お尻の下にヨガブロックを置いたりして調整しましょう。
□ 深さよりも「安定して呼吸できる位置」を大切にする
花輪のポーズは、深くしゃがむほど上手というわけではありませんかかとが床につくかどうかや、お尻がどこまで下がるかだけでポーズを判断せず、自分が安定して自然な呼吸を続けられる位置を探してみましょう。数回呼吸を続けたら、無理に長く保とうとせず、自分のペースでゆっくりとポーズから戻ります。
痛みや強い違和感がある場合は、そのまま続けずにポーズを中止してください。

▼花輪のポーズを動画で確認したい人にはこちらをご紹介します↓
慣れてきたら花輪のポーズのアレンジに挑戦
基本の花輪のポーズを無理なく保てるようになったら、少しずつ動きを加えたアレンジを試してみるのもよいでしょう。
ここでは、上半身をひねる「ツイスト」と、腕を背中側へ回すアレンジを紹介します。
どちらも基本の花輪のポーズより動きが大きくなるため、深くしゃがむことや手をつなぐことにこだわらず、無理のない範囲で行ってください。
◆ ツイストバリエーション
花輪のポーズから上半身にひねりを加えるアレンジです。
まず、安定して保てる花輪のポーズをつくります。右手を身体の前の床につき、身体を支えながら、反対側の腕(左腕)をゆっくりと上へ伸ばします。
胸を少しずつ横へ(左側へ)向け、無理のない範囲で上半身をひねりましょう。首に負担を感じなければ、目線を上げた手の方向へ向けても構いません。
肩や腰を無理にひねらず、自然な呼吸を続けられる位置で数呼吸します。終わったらゆっくり中央へ戻り、反対側も同じように行いましょう。

◆ 背中側へ腕を回すアレンジ
さらに余裕がある場合は、花輪のポーズから腕を背中側へ回すアレンジもあります。
花輪のポーズから上半身を少し前へ傾け、片方の腕を同じ側のすねの前から外側へ回します。反対の腕は背中側へ回し、無理なく届く場合は両手をつなぎます。
両手が届かない場合は、無理につなぐ必要はありません。写真のように、それぞれの腕を無理なく動かせる位置まで回すだけでも構いません。
肩や胸、股関節などに強い負担を感じない範囲で行い、自然な呼吸を続けましょう。
左右で動かしやすさが異なることもあります。片側が終わったら一度基本の花輪のポーズへ戻り、反対側も自分の動かせる範囲で試してみましょう。


このように、アレンジを友達や家族と一緒に挑戦することで、お互いにアドバイスし合いながら、楽しい時間を共有することができます。
花輪のポーズを取り入れた簡単ヨガフロー
花輪のポーズは、ほかのヨガポーズと組み合わせて練習することもできます。
ここでは、立った姿勢から少しずつ身体を動かし、花輪のポーズを行ったあと、床に座って休むシンプルな流れを紹介します。ポーズの深さや呼吸の回数は、その日の身体の状態に合わせて調整してください。
- 山のポーズ
両足で床を感じながら、楽な姿勢で立ちます。肩や首の力を抜き、自然な呼吸を2〜3回続けましょう。

- 立位前屈のポーズ(ウッターナーサナ)
息を吐きながら、股関節から上半身をゆっくり前へ倒します。膝は軽く曲げても構いません。頭や首の力を抜き、無理のない位置で2〜3回呼吸します。

- 花輪のポーズ
立位前屈から膝を曲げ、足幅を調整しながら、ゆっくりと花輪のポーズへ移ります。胸の前で手を合わせ、無理なく保てる位置で2〜5呼吸ほど続けてみましょう。
かかとが浮く、深くしゃがめない、バランスを保ちにくい場合は、タオルやヨガブロックなどを使って調整してください。

- 四つ這いの姿勢へ
花輪のポーズから両手を床につき、ゆっくりと膝を床へ下ろして四つ這いになります。手首は肩の下、膝は股関節の下あたりを目安にし、姿勢を整えながら自然な呼吸を続けます。
必要であれば、ここで「キャットカウ」を数回行ってもよいでしょう。

- チャイルドポーズ
四つ這いからお尻をかかとの方向へ下ろし、上半身を前へ倒します。腕は前へ伸ばしても、身体の横へ置いても構いません。楽な姿勢で数回呼吸し、最後はゆっくりと身体を起こしましょう。
膝や股関節などに違和感がある場合は無理に続けず、自分が心地よく動ける範囲で行ってください。

まとめ|深くしゃがむことより、自分に合った花輪のポーズを
花輪のポーズ(マーラーサナ)は、足を開いて深くしゃがみ、胸の前で手を合わせるヨガのポーズです。シンプルに見える一方で、実際に行ってみると「かかとが浮く」「深くしゃがめない」「後ろに倒れそうになる」など、難しさを感じることもあります。
大切なのは、写真と同じ形をつくることではありません。かかとの下にタオルやブランケットを敷いたり、お尻の下にヨガブロックを置いたり、壁を使って身体を支えたりしながら、自分が安定して呼吸できる姿勢を探してみましょう。
慣れてきたら、ツイストなどのアレンジを取り入れることもできますが、無理に深くしゃがんだり、難しい形に挑戦したりする必要はありません。その日の身体の状態を感じながら、自分にとって心地よい花輪のポーズを楽しんでみてください。



