O脚やX脚のお悩みは、生活習慣やエクササイズで改善しよう!

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自分の歩き方を分析したことはありますか?
2歳前後で自然と歩き方を覚え、誰に教わることも指導されることもなく、そのまま何十年も続けている我流の歩き方。

自分の歩き方を改めてチェックする機会は少ないと思いますが、歩き方にはそれぞれの癖が強く出るものです。知り合いであれば、遠くから歩き方を見ただけで誰であるか察しがついてしまうほど個性が出るものなのです。

例えば歩き方の癖には、ガニ股、内股、大股、小股、早歩き、すり足など、足運びそのもの以外に、猫背反り腰左右非対称の歩き方腕の振り方肩を揺すりながら歩くなど、身体全体の使い方の違いなどもあります。またそれら癖の組み合わせや、体格による見え方の違いもありますので、歩き方の癖というのはとても個性が出やすいということなのです。

中でも股関節脚の形状による歩き方の癖は大きく分けて、O脚X脚どちらでもない人との3つあると思います。その分類にした場合、日本人の7〜8割の人がO脚かX脚のどちらかに入ると言われています。このO脚X脚は、骨盤の歪みや姿勢にも大きく影響を与えますので、放置せず少しずつでも改善していった方が良さそうです。

ではO脚とX脚について、それぞれの原因や特徴、改善方法についてもみていきましょう。

O脚やX脚とはどんな状態?

O脚とはくるぶしを付けて立った状態を前から見ると、イラストのように太ももから膝、足首にかけて脚が外側にカーブしていて、膝と膝が離れてしまうような形になっている状態です。日本人はO脚の人が多いそうです。

それに対しX脚ではいくつか種類がありますが、イラストのように真っ直ぐ膝を揃えて立ったときにくっついた両膝から下が開き、ふくらはぎがつかないような形になるケースが多いです。
膝自体もつかないX脚もあり、脚を前から見たときに両膝が内旋している状態で、ももの付け根から足首にかけて両脚とも内側にくの字になっているのが特徴です。

O脚やX脚になる原因

遺伝や生まれつきなどによる構造的なO脚X脚の場合もありますが、圧倒的に多いのは生活習慣によるものです。
共通することもありますが、それぞれの原因は次のようになります。

O脚になる原因

(1) 立ち姿勢・歩き方
猫背や膝が曲がったまま歩く姿勢は、腰が丸まり、骨盤後傾やガニ股になりやすいです。その姿勢で毎日歩き生活しているとO脚にもなりやすくなります。

(2) 座り姿勢
座っているときに、猫背や脚を組む習慣、座面の浅い位置で腰で座る習慣がある場合は骨盤後傾など歪みが生じやすくなります。
その結果、立ち姿勢や歩き方にも影響し、O脚へのリスクが高まります。

座り方や歩き方の癖などにより、骨盤が「後傾」だとO脚になりやすくなります。

(3) 筋力不足運動不足
運動不足により筋力が低下し、バランスの悪い筋肉のつき方になってしまうと歩き方が悪くなります。筋力バランスが悪くなると、自分の体を正しい姿勢で維持できなくなってしまいます。
その結果、体の使う筋肉が偏り、負担のかかる筋肉は疲労で硬くなり、立ち姿勢や歩き姿勢の悪さからO脚へと繋がってしまいます。

(4) 変形性膝関節症や関節リウマチなどの病気
変形性膝関節症は遺伝のこともありますが、老化や肥満などが原因で引き起こされる関節変形の疾患です。
また関節リウマチの原因ははっきりしていませんが過労やストレス、細菌やウイルスの感染、怪我や出産などをきっかけに発症することが多くみられる疾患です。
いずれも早期に治療やリハビリを行うことが必要です。

X脚になる原因

(1) 姿勢や歩き方
X脚は猫背の場合に多く見られます。足の指が浮いた状態や、すり足・内股で歩く癖がある場合や、扁平足の場合にもX脚になりやすくなります。

(2) 座り方
背もたれに体を預けて座面の浅い位置で腰で座ったり、脚を組んだりする習慣のある場合にX脚になる可能性が高まります。また、床で横座りやぺたんこ座りをすることが多い場合もそのリスクは高まってしまいます。

座り方や歩き方の癖などにより、骨盤が前傾」の方はX脚になりやすくなります。

(3) 筋力不足・柔軟性不足
特に股関節まわりやお尻の筋力が落ちると、正しい姿勢、つまり体に負担をかけにくい姿勢を維持できなくなりますまた、太ももの内側(内転筋)や、太もも外側(大腿筋膜張筋)の柔軟性が落ちることでもX脚になりやすくなってしまいます。運動不足の方だけでなく、普段からランニングなど運動をされる方は大腿筋膜張筋が固くなっていることが多いのでケアが大事です。

(4) ケガや変形性関節症など
ケガや病気が原因でX脚になることがあります。その場合は病院でのケアが必要なので、専門機関を受診することをお勧めします。

O脚やX脚のままでいるとどうなる?

O脚X脚をそのまま放置して生活し続けていると、例えば次のようなリスクを伴ってしまいます。

O脚のままでいるリスク

  • 下半身の浮腫み、下半身太り
  • 腰痛、膝痛
  • 冷え性
  • 外反母趾
  • 足底筋膜炎
  • 変形性膝関節症
  • 将来的に歩行困難

X脚のままでいるリスク

  • 膝痛、腰痛
  • 股関節への支障
  • 血流悪化・冷え性
  • 太ももに脂肪がつく
  • 外反母趾
  • 腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)
  • 将来的に歩行困難

O脚やX脚の予防と改善方法

既にO脚・X脚になってしまった人や、将来O脚X脚になるリスクのある人は次のようなことを意識して生活するようにしましょう。

姿勢改善(座り姿勢、立ち姿勢)

O脚の人の姿勢改善

  • 猫背にならないようにする
  • 骨盤を立てて背筋を伸ばす
  • 椅子に浅く座らない
  • 脚を組まないようにする

X脚の人の姿勢改善

  • 猫背にならないようにする
  • 骨盤を立てて背筋を伸ばす
  • 椅子に浅く座らない
  • 脚を組まないようにする
  • 横座り・ぺたんこ座りを習慣化しない


O脚もX脚の場合も、椅子に座る場合の姿勢は、骨盤を立てて背筋を真っ直ぐ伸ばし、上半身の体重が均等に骨盤にかかるような姿勢が身体の構造的に負荷のかかりにくい姿勢です。
そのためには、自分の上半身を支えるための腹筋や背筋が必要です。

また身体の構造的に「正しい立ち姿勢」は、腹筋やお尻の力でお腹を引き上げ骨盤を立たせます。背筋の力で背すじを伸ばし、猫背や巻き肩にならないように胸を開き、首を伸ばして顎を軽く引いた状態です。頭から足裏まで重心が体の中心にあるのが基本の立ち姿勢です。

O脚やX脚の人の歩き方改善

O脚X脚の人が歩き方改善をする場合には、それぞれどのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。どちらも基本姿勢を保って歩くことが大切ですが、例えば次のようなことを意識してみると良いでしょう。

O脚の場合

  • 歩きスマホをしない
    (猫背の原因になります)
  • ガニ股歩きにならない
  • 膝を曲げたまま歩かない
  • 足にあった靴で体に負担をかけないよう歩く

X脚の場合

  • 歩きスマホをしない
    (猫背の原因になります)
  • つま先をハの字や逆ハの字にしない
  • 足の指が浮かないようにする
    (足指で地面を掴むような意識で歩く)
  • すり足や内股にならないように歩く
  • 足にあった靴で体に負担をかけないよう歩く


理想の歩き方は「正しい立ち姿勢」のまま安定した状態で、効率的に体を使って脚を交互に前に出し、体重移動していくことです。

そのためには、膝を伸ばしながら足の裏をローリングさせるように上手に使い、お尻の筋肉や腹筋も使いながら広めの歩幅で脚をくり出すことです。

参考に、理想の歩幅は『身長 × 0.45~0.5』 と言われています。
<理想の歩幅例>
  160cmの人ならば72~80cm
  170cmの人ならば77~85cm

また、正しい歩き方をするためには靴のサイズが合ったものを履くことも大切な要素です。

O脚X脚は適度な運動習慣で、筋力と柔軟性を向上

身体の構造的に「正しい姿勢」で生活することがO脚X脚の防止となりますが、そのためには、適度な運動を継続して、最低限必要な筋力や柔軟性を身につけることが大切です。

特にお尻や股関節まわりを鍛え、下半身をよくストレッチすることが大切です。

O脚の人のお勧めエクササイズ

(1) ワイドスクワット
内転筋のトレーニングはO脚改善の効果が期待できます。

【ワイドスクワットのやり方】
1. 足を腰幅より広く開いて、つま先と膝を同じ向きにします。
2. お尻を後ろに引きながら5秒かけてゆっくりと落とします。このときに膝がつま先より前にでないようにしましょう。
3. 5秒キープしたら、5秒かけてゆっくり膝を伸ばし立ち上がります。
4. 同じことを10回繰り返します。

(2) ふくらはぎのストレッチ
ふくらはぎが硬くなるとO脚を促進しやすくなります。

【ストレッチのやり方】
脚を前後に開き、左足のつま先を壁などにつけて踵は床につけます。左足のつま先に体重をかけて、左ふくらはぎを伸ばします。
反対側も同じように行います。
※階段などの段差を利用して、片足の踵を段差から落とすようにしてふくらはぎを伸ばす方法もあります。

(3) ハムストリングスのストレッチ
ハムストリングス(もも裏の筋肉)が硬くなると、すねを外側に引っ張りO脚に!

【ストレッチのやり方】
1. 床に座り右脚を伸ばします。左脚は曲げておきます。
2. 腰を立て、息を吐きながらお腹を右脚のももに近づけます。
3. 右膝が曲がって良いので、お腹とももが離れないように右足つま先を持ち、少しずつ右膝を伸ばして右の踵を遠くへずらします。右のもも裏にストレッチを効かせましょう。

注意点:身体を倒すことを目的にせず、ももの裏側が伸びることを意識しましょう。

X脚の人のお勧めエクササイズ

(1) 太もも外側の筋膜リリース
太ももの外側をストレッチしたりほぐしたりすることが、X脚の予防・改善に繋がります。

【筋膜リリースのポイント】
ローラーを太ももの外側にセットし、体を転がしたり前後に揺らしたりします。あまり痛い場合は体重を乗せず外ももにローラーを乗せて手で動かします。
注意点:痛すぎる場合は無理に動かさず、ローラーに乗せているだけで十分ほぐれます。
何度かやるうちに慣れてきたら、少しずつ体を動かしてみましょう。

(2) タオルギャザー
足指が使えるよう鍛えることで歩き方改善に繋がります。

タオルギャザー

【タオルギャザーのポイント】
タオルの上に足の裏を乗せ、足指でタオルを引き寄せる練習をします。
長めのタオルなどを使い、端から行うと良いでしょう。

(3) スプリットスクワット
前後に脚を開いて行うスクワットでお尻と太ももや腹筋の強化にもなります

【スプリットスクワットのやり方】
1. 足を揃えて立ち、片足を広めに前に出します。
2. 両足を前後に広く開いた姿勢から、上体をまっすぐ安定させたまま、お尻を真下へ5秒かけてゆっくり落とします。
3. 5秒キープしたら、ゆっくりと5秒かけて元に戻ります。
4. ゆっくりと元に戻すことを10回繰り返します。
5. 反対の脚も同じことを行います。

注意点:体が前に倒れたり猫背にならないように、お腹に力を入れて背筋も伸ばした姿勢で行いましょう。

まとめ

身体の構造的に「正しい姿勢」で生活することが、O脚X脚の防止となりますが、そのためには、適度な運動を継続して、最低限必要な筋力や柔軟性を身につけるようにしてみましょう。

習慣的に身体を動かして、使った身体はストレッチなどで適切にメンテナンスするということも大切です。
それが健康的に過ごすための必要条件になります。


〜健康は1日にして成らず、心も身体も〜

RENYOGINI
RENYOGINI

RENYOGINIは、ヨガの講師〜ヨガスタジオ経営を経て、現在はヨガの情報発信を中心に活動しています。

これまで「ヨガは体の柔軟性が必要」「ヨガはヨガスタジオで行うもの」「ヨガって宗教っぽい」と、ハードルを高くしたり、嫌厭してしまう人の多さを目の当たりにしてきました。それはつまり『ヨガとは何か』が間違って人々のイメージになってしまっていると残念に感じています。

ヨガは決して特別な運動などではなく、普段無意識に人が行っている「呼吸」に意識を向けることから始まります。また起床時やリフレッシュのために本能的に行っている「伸び」の動作、両手を天井方向へ伸ばして体を上下に引っ張り合うあの動作も、ヨガに通じています。

つまり、古来から人が体のために本能的に求めてきたものが、一つの形として形成され、「ヨガ」として広がったと考えれば分かりやすいと思っています。そのことをお伝えしながら少しずつヨガを身近なものにしてもらうための情報を発信しています。

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