呼吸でわかる健康状態、3つの呼吸法を覚えて心身バランスを整えよう!

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「ニワトリと卵はどちらが先か」ではありませんが、呼吸が浅くなると健康に影響を与えるリスクが高まったり、風邪や精神状態が崩れると呼吸が浅くなったりするというように、呼吸と健康状態は相互に関係します。

特にストレスなどで精神的に負荷がかかっていることは、なかなか自分で気が付きにくいものです。ストレスを見過ごして無理がを続けてしまうと、深刻な病気につながる危険もあります。

そうなる前に自分の呼吸の状態を意識する習慣があれば、正常な呼吸に戻すことで回避できるかもしれません。呼吸の状態をバロメーターにして自分の身体と向き合えれば、身体から出る様々な小さな危険信号にも気がつきやすくなるでしょう。

まず自分の呼吸をチェックしてみよう

コロナ禍になり長いマスク生活のせいで呼吸が浅くなった方がとても増えています。
口をマスクで覆ってしまい呼吸がしずらいことが大きいですが、呼吸が浅くなるのには理由がいくつかあります。それは呼吸が感情の動きと連動していることにも大きく関係しています。

下のパターン1や2に当てはまる方は注意が必要かもしれません。


🧘‍♀️パターン1

  ●パソコンやスマホを毎日長時間使用する
  ●運動不足
  ●猫背である
  ●肩や首が凝っている


🧘‍♀️パターン2

  ●ストレスや悩みが多い
  ●疲れが溜まっている

  ●集中力が低下、イライラしやすい
  ●緊張しやすい


👉パターン1に当てはまった方
パソコンやスマホを見るときの姿勢は首が前に出やすいため、肺が圧迫されて横隔膜が動きにくくなります。呼吸は横隔膜が伸び縮みすることで酸素を体内に取り込みますので、その機能が低下して深い呼吸ができなくなってしまうのです。それにより肺の中の空気を吐き切ることができなくなるため、新しく吸える空気も減ってしまい、浅く速い呼吸になりやすいです。首肩のコリや、猫背、運動不足の場合にも横隔膜の動きが悪くなりやすいため、同じように浅い呼吸になりやすいです。

👉パターン2に当てはまった方
心の緊張やストレスが多い場合は交感神経が優位な状態になります。そのため横隔膜も緊張状態になり、肺の空気を吐き切ることができなくなってしまいます。それによりパターン1と同様で、浅く速い呼吸になってしまうのです。
逆にリラックス時は、副交感神経が優位となるため吐くことが中心の深い呼吸になっていきます。

浅い呼吸の危険とは?

呼吸によって取り込んだ空気は、肺から全身の毛細血管を通して身体中の細胞へ酸素や栄養を運ばれます。
しかし浅い呼吸が続くと血管内の空気が不足するので、細胞に十分な酸素や栄養が運ばれず酸欠状態になってしまいます。
その結果脳や臓器などさまざまな機能が低下するため、だるさや疲れが生じたり、肩コリや腰痛が起きたり、集中力が低下したりといった問題が起きてしまうのです。

浅い呼吸は自律神経にも影響があります。緊張・興奮モードにする(交感神経を優位にする)ので、睡眠障害や動悸、息切れ、胃腸障害なども引き起こしてしまう恐れがあります。そのままにしておくと、心の不調に繋がることもあるため注意が必要です。

口呼吸も浅い呼吸になりやすい

口を使わずに鼻から息を吸ったり吐いたりする「鼻呼吸」に対し、吸う息、吐く息のどちらか一方でも口からするのを「口呼吸」と言っています。「口呼吸」は鼻呼吸に比べて楽に空気を吸い込めるため、浅い呼吸になりやすいです。
日本では、人口の7割ほどが口呼吸と言いますが、口呼吸になる原因には次のようなものがあります。

  • アレルギー性鼻炎、花粉症、副鼻腔炎など
  • 口周りの筋肉の低下
    (マスク生活で口呼吸の人が増えたのはこれが理由と言われる)
  • 歯並び
  • ストレスによる自律神経の乱れ

また「口呼吸」のデメリットとして、ウイルス感染のリスクが上がりやすいことや、虫歯、口臭、ほうれい線が出やすいこと、睡眠時無呼吸症候群などがあります。

肺を動かす「呼吸筋」を鍛えて正しい呼吸を習慣にしよう

横隔膜や肋間筋など呼吸をするために使う筋肉を総称して「呼吸筋」と呼びます。運動不足の方や加齢によって「呼吸筋」が衰えると、肺の収縮が行えなくなり深い呼吸がしにくくなります。

呼吸筋ストレッチ体操の動画がこちらのリンクにたくさん紹介されていますので、

 呼吸筋ストレッチ体操動画(提供元:独立行政法人 環境再生保全機構)
 https://www.erca.go.jp/yobou/event/r02remote02/

深い呼吸を習慣にするため、3種類の呼吸法を覚えよう

① 胸式呼吸

〜深呼吸して落ち着きたいときに〜
胸式呼吸は、ふだん無意識に行っている呼吸法です。

【やり方】

  1. お腹を凹ませないように、一度鼻から息を吐き出し肋骨を閉じます。
  2. お腹を膨らませないように、鼻から息を吸って肋骨を広げます。
  3. 最初より大きく鼻から息を吐き出して、肋骨を閉じます。
  4. 息を吐き切ったら 2. 3. を繰り返します。

② 腹式呼吸

〜深い呼吸でリラックスしたいときに〜
腹式呼吸は、副交感神経を優位に働かせる効果があります。

【やり方】

  1. 姿勢を整え、息を吐きながらお腹を凹ませます。
  2. 大きく息を吸って、お腹を膨らませます。
  3. 息を吐き切りながらお腹を凹ませ元に戻します。
  4. 息を吐き切ったら 2. 3. を繰り返します。

③ 大の字呼吸法

〜ぐっすり眠りたいときに〜
ヨガの最後などに行うポーズ「シャバーサナ」。寝る前などに行うことで深い眠りにつける効果が期待できます。

【やり方】

  1. 仰向けに大の字になります。
  2. 体(背中)が床へ沈み込むように息を吐きます。
  3. 沈んだ体が浮かび上がるイメージで息を吸います。
  4. 気持ちが落ち着いてくるまで 1. 〜3. を繰り返します。

まとめ

普段何も考えずにしている『呼吸』ですが、その大切さを感じてもらえたでしょうか。
深い呼吸のためには、特に「息を吐く」方を意識をして呼吸してみてくださいね。

〜健康は1日にして成らず、心も身体も〜

RENYOGINI
RENYOGINI

RENYOGINIは、ヨガの講師〜ヨガスタジオ経営を経て、現在はヨガの情報発信を中心に活動しています。

これまで「ヨガは体の柔軟性が必要」「ヨガはヨガスタジオで行うもの」「ヨガって宗教っぽい」と、ハードルを高くしたり、嫌厭してしまう人の多さを目の当たりにしてきました。それはつまり『ヨガとは何か』が間違って人々のイメージになってしまっていると残念に感じています。

ヨガは決して特別な運動などではなく、普段無意識に人が行っている「呼吸」に意識を向けることから始まります。また起床時やリフレッシュのために本能的に行っている「伸び」の動作、両手を天井方向へ伸ばして体を上下に引っ張り合うあの動作も、ヨガに通じています。

つまり、古来から人が体のために本能的に求めてきたものが、一つの形として形成され、「ヨガ」として広がったと考えれば分かりやすいと思っています。そのことをお伝えしながら少しずつヨガを身近なものにしてもらうための情報を発信しています。

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