エアリアルヨガやハンモックヨガは、近年人気が高まっている空中エクササイズのスタイルです。これらは一見似ていますが、その実、さまざまな違いがあります。
本記事では、エアリアルヨガやハンモックヨガの基本を理解し、特徴や効果を解説しながら、どちらのスタイルが自分に合っているのかを考察します。また、空中を使った様々なエクササイズ、パフォーマンスについて、日本にある協会についても紹介しながら説明していきます。
空中エクササイズの特徴とその魅力を解説
両脚を床から浮かせて行う空中エクササイズは、重力から解放されることで新しい感覚を得られる点が最大の魅力です。体を吊るすことで、通常の地面での運動では感じられない自由さや軽さを体験できます。この感覚は、特にストレスを抱えている現代人にとって、非常にリフレッシュになるでしょう。
また、空中エクササイズは、体幹を強化するのにも最適です。ハンモックに支えられている間も、バランスを取るために体幹を使う必要があり、自然とインナーマッスルが鍛えられます。これにより、日常生活でも姿勢が改善され、体全体のバランスが向上する効果があります。
さらに、空中でポーズを取ることにより、血流が改善され、酸素供給がスムーズになります。これが、エネルギーの活性化や疲労回復にも寄与します。特にエアリアルヨガでは、逆転のポーズが多く、心臓や脳への血流が促進されるため、集中力やリフレッシュ感が増すと言われています。
このように、空中エクササイズには心身ともに多くのメリットがあります。では、次の章で「エアリアル」について触れていきたいと思います。
「エアリアル」は空中パフォーマンスを指している
天井から下げられた布を使って逆さになったり、その布に身を委ねたポーズの写真や映像を、テレビや雑誌などで見たことがある人は多いことでしょう。そのパフォーマンスやエクササイズの呼び名は、エアリアルヨガ や空中ヨガ、ハンモックヨガ、アンティグラビティヨガなど色々あるので、「何が違うの?」と疑問に思う人が多いようです。
まず、「空中」を意味する『エアリアル』という言葉自体が、空中芸全般を指して使われることがあります。例えば、シルク・ドゥ・ソレイユなどのサーカスに、命綱をつけずに高い天井から吊るした”布” や “フープ(輪)” などの道具を使って行う空中パフォーマンスがあります。そのパフォーマンスのことを「エアリアル」と言います。
次に、エアリアルに使われる専用の”布”には「ティシュー(別名エアリアル・シルク)」という名称があります。そのため、その専用の”布”を使ったパフォーマンスは『エアリアル・ティシュー』と呼ばれます。
その他にも、エアリアルには、輪っか(フープ)を使った『エアリアル・フープ』や、ブランコを使う『エアリアル・トラピス』などがあります。

そのような「エアリアル」のパフォーマンスは、上の写真イメージ通り、身体的にも技術的にも練習を積んだパフォーマーが行うもので、一般人が簡単にできるものではありません。エアリアルパフォーマーを目指す方のために、次のような専門の養成所があります。
- エアリアル・アート・ダンス・プロジェクト
東京都墨田区。シルク・ドゥ・ソレイユなどステージで活躍するエアリアル・パフォーマーの養成を開始した日本初の専門スタジオです。 - 大阪芸術大学・舞台芸術学科 エアリアルダンス実習
エアリアルダンス実習でが、4年間かけてエアリアルパフォーマーの育成が行われます。
エアリアルヨガやハンモックヨガの違いとは?
「エアリアルヨガ」や「空中ヨガ」、「ハンモックヨガ」などと呼ばれるエクササイズは、一般向けに考案されたプログラムなどを総称して指すことが多いです。これらの発祥は米国ニューヨークですが、提供する協会や流派が違うため、呼び方に違いがあります。
さらに、最近では、無重力ヨガ、エアヨガ、フライングヨガ、ファブリックヨガなどの呼び名も見かけます。

またこれら “一般向けのエアリアル” に使う専用の布も「ティシュー」や「エアリアル・シルク」と呼ばれています。特に、床で行う伝統的な「ヨガ」と融合したスタイルのものを、「エアリアルヨガ 」と呼ぶことが多いです。(ティシューヨガ という呼び方はされません)
エアリアルヨガやハンモックヨガは、2010年頃にニューヨークから日本へ上陸し、徐々に普及していきましたが、体験できるスタジオは全国でもそれほど多くありません。その理由は、天井から布を吊り下げる設備が必要であることや、指導できるインストラクターが圧倒的に少ないことにあるようです。
エアリアルヨガ 業界の主な協会
エアリアルヨガ業界の協会や流派、またその他の空中エクササイズもご紹介していきます。
●日本アンティグラビティ協会(AntiGravity®Fitness Japan)
ニューヨーク発祥、元体操選手のクリストファー・ハリソンが創始者の草分け的な協会です。
その歴史は、1991年にクリストファーが設立したパフォーマンスカンパニー ”AntiGravity®” から始まります。ヨガやピラティスのメソッドに、カンパニーの空中パフォーマンスで使われる「シルクハンモック」を組み合わせ、オリジナルのフィットネスプログラムが一般向けに開発されました。そのプログラムが、『AntiGravity®Fitness』として2007年より米国内及び世界展開されました。
AntiGravity®Fitnessの特徴は、パフォーマンス要素が多く含まれていることです。基礎テクニックを一通り習得した後も、「エアリアルヨガ」や「エアバー(エアバレー)」「リストラティブヨガ」「ピラティス」「サスペンションフィットネス」など、それぞれに特化した上級プログラムが用意されています。このAntiGravity®のテクニックは、AFAA、ACE、CYQ&ヨガアライアンスに承認されているので、安全面においても安心できます。
また、AntiGravity®Fitnessでは、空中パフォーマンスのために開発された専用布を使用しています。ロゴマークがプリントされたオリジナルハンモックが目印になっており、世界の加盟店で使用されています。このハンモックの大きさは幅が270cmで、耐荷重が450kg以上、50kgの女性が9人乗れるほど強度も抜群のものです。

AntiGravity(アンティグラビティ)とは、反重力という意味です、そのため、「反重力フィットネス」や「ハンモックフィットネス」などと呼ばれることがありますよ。

現在、AntiGravity®Fitnessは世界50カ国への展開があり、エアリアルマーケットでの世界シェアはNo.1です。日本国内で唯一の公認団体は「日本アンティグラビティ協会」です。加盟する全国のスタジオ一覧はここへ掲載されています。
日本アンティグラビティ協会(AntiGravity®Fitness Japan)
https://antigravityfitness.jp
●エアリアルヨガジャパン(ウーナタ®エアリアルヨガ)
ニューヨーク発祥。ヨガ 講師のミシェル・ドーティナックが考案したスタイルです。伝統的な「ヨガ」をベースに生み出され、空中でありながら大地との繋がりも意識しながら行うスタイルが特徴です。
ウーナタ®エアリアルヨガ講師は、ヨガ資格RYT200もしく同等の認定を受けた者に限定してトレーニングと認定がされていることも、伝統的なアーサナをヨガの本質に基づきハンモックで行うスタイルであることが分かります。

ウーナタ®エアリアルヨガを受けられるスタジオには、自由が丘にある「エアリアルヨガジャパン」の他に、広尾の「Studio MANA」、下北沢の「AERAS」などがあります。
エアリアルヨガジャパン(ウーナタ®エアリアルヨガ)
https://aerialyoga.jp
●日本エアリアルヨガ 協会®
日本エアリアルヨガ 協会は、ハンモックを使ったヨガスタイルを日本国内に普及促進するために設立された一般社団法人です。スタジオ運営や各種養成講座、ライセンス発行、書籍出版などの他にハンモックやスタンドの販売等も行っています。
協会認定の直営校である渋谷の「Viange」では、養成講座の他に骨盤矯正やデトックスなど、目的別の一般向けクラス提供も行っている。協会認定のスタジオ一覧はこちらに掲載されています。

日本エアリアルヨガ 協会®
https://www.aaj.life
●シルクサスペンション (SilkSuspension)
ニューヨーク発祥。ピラティススタジオPilates on Fifthのキャサリン コープ・キンバリー コープ姉妹によって開発されました。ハンドルの付いたハンモックが特徴です。
日本では「PILATES BODY STUDIO」がサテライトスタジオとして国内での普及を担っています。
他にシルクサスペンションが受けられる主なスタジオとしては、チェーン展開のある「SOU+(ソウプラス)」や「加圧ビューティーテラス」などがあります。

シルクサスペンション (SilkSuspension)
https://www.pilates-body.jp/silksuspension/
●空中ヨガ
ニューヨークにある「OM Factory」の空中ヨガメソッドをベースに体幹トレーニング、ピラティスなどのエクササイズを融合し、美と健康を追求した空中プログラムを提供しています。2014年にオープンした「avity代官山」は2024年3月末に閉店していますが、新宿高島屋内の「メローフロー」スタジオで継続されています。

その他の空中エクササイズ関連協会
エアリアルヨガ 以外にも空中で行うエクササイズは年々増えています。そのいくつかをここに紹介いたします。
●BurnG EXERCISE(バンジーエクササイズ)
「Burn G」はポーランドのBungee Fitness Polskaと共同開発したオリジナルの最新エアリアルフィットネス。サスペンションフィットネスとダンスを掛け合わせ、楽しみながら本格的なトレーニングが行える高燃焼系空中エクササイズです。
全国の体験できるスタジオは、こちらに掲載されています。
BurnG EXERCISE(バンジーエクササイズ)
https://burn-g.jp
●4D PRO® JAPAN(バンジーフィットネス®)
ドイツ発祥。天井から吊るされた伸縮性のある強靭なバンドが使用された専用ツールで行うトレーニングです。

4D PRO® JAPAN(バンジーフィットネス®)
https://4dprojpn.wordpress.com/
●低空エアリアルティシュー協会
本来地上10メートル以上の天井から吊るして多なうエアリアルティシューを、親しみやすいよう低空で行えるようにしたエクササイズです。

低空エアリアルティシュー協会
https://www.instagram.com/low.tissue.fitness/
エアリアルヨガなどによる怪我や事故について
日本で一般的にエアリアルヨガなどが普及し始めたのは2016年頃です。今では全国に専用スタジオがあるので、体験者も多いと思います。
まだエアリアルヨガなどの空中エクササイズを体験したことのない方、これから体験されたい方にとって、空中で行うエクササイズは「怖い」「不安」などの心配もあることでしょう。でも、安心してください。各協会ではエクササイズを指導するにあたり、受講者の安全を確保するための独自のマニュアルや規定を設けています。その内容や基準は協会により若干異なりますが、指導者養成時には徹底した訓練を行い、厳しい試験にパスした者だけを指導者として認定している協会もあります。
また、どこのエアリアルヨガスタジオでも初めての方向けに「初級プログラム」を用意しています。初級クラスでは、床から完全に足を離さずに動く内容が多いので、少しでも興味を持ったら、まずはスタジオへ問い合わせてみると良いでしょう。

空中エクササイズクラスを受講される際のお願い
空中エクササイズを安全に楽しむためには、いくつかの注意点があります。
初めての方は、無理をせず、自分のペースで行うことが大切です。体が慣れるまで徐々にステップアップし、強い負荷をかけることは避けましょう。
また、エクササイズに慣れて自信がついても、過信せずに常に緊張感を忘れないようにしましょう。「初心を忘れないこと」が安全のための保険となります。
さらに、インストラクターの指示に従うことも忘れずに。正しい姿勢や動作を学ぶことで、より効果的かつ安全にエクササイズを行うことができます。疑問点や不安があれば、遠慮せずにインストラクターに相談しましょう。
最後に、楽しい時間を持つことが一番のポイントです。リラックスした気持ちで空中エクササイズを楽しむことで、心身ともに充実した体験が得られるでしょう。
まとめ
エアリアルヨガやハンモックヨガなどと言われる布を使ったエクササイズにも、いくつかの協会があることを紹介させていただきました。それぞれの協会で特徴は異なりますが、大きな括りでの得られる効果は共通すると思います。まずはお近くのスタジオで体験してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
(この記事内で紹介できなかったエアリアルヨガ等のスタジオ情報はたくさんあります。ここでは主に協会として登録のある法人や個人を紹介させていただきました。)




